米国人の友人Jさんに、シンガポールに行ってきたよと話しました。すると現在アメリカでは、シンガポールを舞台にした Crazy Rich Asians という映画が大ビットしていると、教えてくれました。
Jさん自身は、特に普段はさほど映画ファンではないとのことですが、この映画に限ってはあまりに面白過ぎで、映画館へもう5回も足を運んで、繰り返し観たとのことでした。なんでもネット系での配信はしておらず、映画館のみでの封切りなんだそうです。
出演者全員が東洋人俳優のハリウッド映画で、シンガポールの超富裕層華人ファミリーを描いたラブコメティーです。
食事を食べ残す子どもに対し、母親が「ちゃんと残さずに食べなさい。アメリカでは、貧しくてちゃんと食事を食べられない子どもたちが大勢いるのよ」と諭すシーンなんかがあり、大爆笑の連続なんだそうです。
ちょっと、感慨深いものがあります。
「アジア=貧困」の印象が世界的に定着していた30年前とは、隔世の感があります。
現在のシンガポールならば、国のどこを切り取ってみても、完全な先進国です。北米や北部欧州のように、平日昼間に大人の男性でも足を踏み入れるのに躊躇するようなスラムは、存在しません。
同じ都市国家の香港は、ブルースリーを皮切りに約半世紀前から、アクション映画を通じて世界中に、文化情報発信をしてきました。それは、広東語という民族語と広東の民族文化が確立しているからこそでした。
それに対し、固有の民族語が存在しないシンガポールには、大きなハンディがあるように見えます。実際、映画に限らず何らかの文化情報発信で、シンガポールが世界の先頭に立つ場面は、これまであまり無かった気がします。
それがこの30年間の目覚ましい経済発展のおかげで、英語メディアでのこうした優れた文化作品が登場したのは、本当に画期的です。
経済だけでなく、文化大国としても、これから面白いコンテンツがどんどんシンガポールから発信されそうで、目が離せません。
この映画は 9月末から、日本でも邦題「クレイジーリッチ」として、封切りになっているようです。
タイでもすでに、劇場公開されているようです。観に行かなくては。