成都市西部にある杜甫草堂博物館へ行こうと、市中心部のバスターミナルから、観光路線バスに乗ろうとしました。
料金が分からなかったので、地下鉄の初乗り運賃が2元(34円)だから、多分それでいいだろうと思い、1元紙幣二枚を出したところ、運転手さんが変な顔をし、降りて外へ戻るようにと指で合図しました。
したたなくバスの外に出ると、案内係らしき係員がいました。その係員に紙幣を見せても、やはり変な顔をします。中国語で何か言われるのですが、分かりません。
ちょうどその時、中国人の青年が1人、その係員にバス料金を尋ねに来ました。やはり2元のようです。それから係員は私に、紙幣2元をその青年に渡すよう指示しました。そしてその青年は、係員が持っている端末に自分のスマホをかざし、それでバスに乗り込みました。係員は、私もバスに乗るよう促しました。
どうやら青年が私のバス代を立て替えて、電子マネーで払ってくれたようでした。成都のバスには現金払いがないことを、その時知りました。青年は煙台から来ており、これからいくつかのお寺を見物しに行くとのことでした。
宿の青年旅舎に戻って、フロントでことの顛末を話したところ、近所のコンビニで公交卡という交通ICカードを売っているから、それを買えばバスに乗れます、と教えてくれました。それで早速買いに行きました。コンビニでは、もらろん筆談です。
コンビニ 舞東風 Wu Dong Feng
交通ICカードの正式名称は、天府通卡 Tan Fu Tong。パンダのゆるキャラのイラストが描かれた、丸い金属バッジです。
価格は35元(590円)、それに加えて乗車賃20元をチャージしてもらいました。
成都市内のみ有効で、地下鉄とバスの両方で使え、後日バッジを返却しての35元払い戻しはありません。地下鉄では切符券売機での現金払いは可能ですが、この天府通を使うと、料金1割引になります。2元の区間は1.8元、5元の区間なら45元へと、おトクになります。
めっちゃ便利。このバッジを一個持ち歩くだけで、心理的に随分と、街歩きが楽になりました。
昨日投稿したSIMカード、スマホのBaidu百度地図アプリ、それにこの天府通が、3種の神器になります。
これら3つがあれば、どこへでも気軽に行けます。バスでしかアクセスできない郊外の観光名所へ、迷うことなく低料金で、行って来れます。バス停でパスを待つ際、乗る予定のバスがいくつ前のバス停まで来ているか、リアルタイムで百度地図アプリシ上に表示されるので、イライラせず心配せずに待てます。
散策し歩き疲れたら、その場で地図アプリを検索して、さっと路線バスで戻ることができます。1週間の成都滞在で、トータル50元をチャージし、ほぼ使い切りました。
後日、旅行から戻ってから知ったのですが、地下鉄の駅では交通ICカード専用販売機が設置されており、そちらで買えば、後日のデポジット35元返却を受けられるようです。