重慶市内では、いくつかの名所を訪れました。
千と千尋の神隠しを思わせる洪崖洞。川沿いの急斜面に作られた建造物群で、ビル11階分の階段を降りて登って見物です。
高級ブランド店が建ち並ぶ解放牌広場。高層ビルが連なる威容は、香港を彷彿させます。
あちこち歩き回った後、通りすがりにフットマッサージ店と思われるお店の前を通ったら、ランチサービス30元との看板が出ていました。お値段手頃そうな店なので、もう夕方6時ぐらいだったのですが、入ってみることにしました。
店名: 鄭運元 Zheng Yuan Yuan
住所: 建新東路69号3号
最寄駅: 地下鉄10号線終点 鯉魚池駅 3番出口。
出口を出て真っ直ぐ100メートルほど行き、横断陸橋を渡って下りて、すぐのところ。前回投稿した食堂「皇城牛肉面館」の3軒隣です。
店内に1歩入るなり、店員さんたちが一斉に声を合わせて「いらっしゃいませ」と中国語で言ってくれました。体育会系のノリにびっくりしました。
値段表を見せられ、一番最初にある安い70元(1200円) のコースにしました。漢字がいっぱい書いてあってよく分からないのですが、「足 按摩」とあったので、フットマッサージのコースなのでしょう。
中国でのフットマッサージは初体験なので、ワクワクです。
若いお兄さんが担当してくれたのですが、もちろん中国語オンリーです。色々話しかけてはくれるのですが、私が理解できないでいると、身振り手振りで案内をしてくれました。
まずは長椅子ではなく、オットマン足置きに腰掛けます。すると、薬湯の入った桶が運ばれてきました。足を入れなさいとのことなので、つま先を入れてみると、めちゃめちゃ熱い!! びっくりすると店員さんが、我慢して足を入れてくださいと促します。仕方なく、足全体を我慢して浸けてみました。しばらくすると温度が下がってきたのと慣れで、だんだん大丈夫になってきました。
すると、まずは肩もみから始まりました、かなり強めにガシガシ揉んでくれます。首も頭も含め、かなり強めにツボの流れに沿って、揉み込んでいってくれます。タイのフットマッサージでは、肩揉みはあくまで最後のオマケですが、こちらは肩揉みがメイン扱いです。リラクゼーション目的では無く、医療行為だというのが伝わってきます。
肩揉みの15分の間、足の裏は薬湯でだいぶ柔らかくなったようです。
ようやく、長椅子に座らせてもらえました。
次に店員さんは、なにやら金属製の道具をいくつか持ってきました。何を始めるのかなと思ったら、足裏の角質取りでした。これにもびっくり。これまでの約半世紀の人生において、角質ケアなぞしたことがありません。
足の裏から足指の先や横までくまなく削りとっていってくれました。こちらは特に痛くはありませんでした
角質取り15分が終わると、店員さんはやおら床に四角いシートを敷き、その上に大量の塩を広げ、アルコールらしきものをふりかけ、火をつけました。結構大きな炎が上がります。シートを揺らして火を塩全体に絡ませます。うわあ、1歩間違えたら火事になるでー。
そして温まった塩を、私の足にゴシゴシとすり込み始めました。足全体に、強く揉み込んででいきます。こちらも15分間。痛気持ちいい。
塩を拭き取り、次にクリームを足全体に塗り、ようやくフットマッサージとなりました。ふくらはぎまで含め、かなり圧強めに揉んでくれました。
これで終わりかと思ったら、まだ続きがありました。
店員さん、何やら数個の竹筒を持ってきました。何を始めるのかと思ったら、またもや火です。炎で竹筒の中の空気を温めて足裏に当て、陰圧で吸い付かせます。めっちゃ強力。足裏の皮膚が固くて竹筒が落ちてしまうと、やり直し。左右の足に2個ずつつけて、10分間そのまま。
以上で全メニューが終了しました。
あー、スッキリ、大満足。3日間重慶の街を歩き回った疲れが、取れました。
タイのフットマッサージとは全く違う展開に、驚きっぱなしでした。私があまりにも珍しがっていちいち写真なんか撮るもんだから、店員さんたちはワックスと笑っていました。終了後にあらためて、値段表を見てみると、6つのステップがちゃんと漢字で説明されていたことに、気が付きました(笑)。
リラクゼーション目的のタイマッサージとは、根本的に思想か異なるようです。テンションが上がる施術でした。
気温20度で暑くも寒く、入口ドアはずっと開放しっぱなしで、通りの騒音が入ってきます。天井の蛍光灯は全て点灯のまま。アロマオイルが焚かれることはありません。
途中で入って来た親子連れがいたのですが、常連さんのようで、母親は店の主と思われる按摩師さんと、ずーーっとお喋りしながら、施術を受けていました。その隣に座った娘さんは、スマホでコメディー動画をずっと観ていました。イヤホンを使わず、大音量のままでです。
郷に入っては郷に従え。こうした賑やかな雰囲気は、これはこれでアリだなと思えました。
店内には長椅子10脚があり、あんま師さんは6名。私が入店した時には、他に3名しかお客がいなかったのですが、私が退店する頃には長椅子が全て埋まり、スツールに座って順番待ちするお客さんまでいました。繁盛店のようです。
重慶滞在最後の夜を、このマッサージ店で締めくくれて、良かったです。
グーグルマップだと精度が出ないのですが、だいたいここの手前。
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