本格フランス式ベーカリーがオープンしていたので、行ってきました。
店名: O Delices オ デリス
住所: Jomtien Complex ジョムティエンコンプレックス内
営業時間: 07:30 – 19 :00
席数: テラス席テーブル5、エアコンあり室内テーブル4
オープン: 2018年8月
ホームページ: https://goo.gl/5U6xcD
バゲットやクロワッサンといったパン類に加え、マカロンやエクレアといったスイーツ類も充実しています。ガチに純フランス式のお店です。いゃー、凄い時代になりました。今やジョムティエンにいながらにして、マカロンが買えるようになろうとは!
訪れたのは週末のお昼時。屋外のテラス席は、すべて埋まっていました。繁盛しています。店内は黒と赤を基調としたシックなデザインで、しっかり冷房が利いていて、そちらも快適。
店内の片隅の席には男性が一人、ノートパソコンに向かっていました。フランス人のお客が来ると、フランス語でなにやら案内説明をしていたので、オーナーさんと思われます。
パリジァンのバゲット1本47バーツ(160円)と、チキンチーズサンドイッチ1個150バーツ(510円)を、私は持ち帰りにしました。
パリジヤンは、噛み応え・舌触り・焼き加減・塩加減・香り・後味ともに申し分ありません。ジョムティエンの他店でこのクオリティに匹敵するのは、 Bak Fabrikだけでしょう。自宅ではちょうどホットクックでチキンのトマト煮込みを作ってあったので、それに添えて美味しくいただきました。
サンドイッチはボリウムたっぷりで、ナイフで半分に切って、この大きさ。細かく刻んだニンジンがマリネ状になってはさまれており、こちらも本格派。ヴィネグレットのシンプルな味付けが好印象。
ただ、チキンもチーズも極薄で、ほとんどサンドイッチは野菜の味しかせず、ちと惜しい。お店には料理用の専用厨房は無いので、調理には多くを期待せず、お店では基本的にパン・スイーツ&コーヒーを楽しむのが正解のようです。
オープンしてからすでに4か月とのことですが、このお店はまったくのノーマークでした。(笑)
お店のあるジョムティエンコンプレックス界隈で目ぼしい飲食店というと、
英料理の Yupin’s https://goo.gl/maps/53yhnJ6u44v
カジュアル食堂の Anz https://goo.gl/maps/XjW5AwpiyQq
くらいです。
以前は仏料理のL’Arc、タパスのEast Suite、ドイツBBQのDolce Vitaなどがあったのですが、営業終了しまい、仏料理のNatanはらしさが消え、ワタクシ的にはこのエリアは、グルメ空白地帯の認識でした。それで、ずっと足が遠のていました。
それが先週末に、ジョムティエン在住のフランス人の知人が、たまたまSNS上で オ デリスのことを、「Ça vaut le détour わざわざ立ち寄る価値がある」と投稿しているのを、目にしました。気になってコメントすると速攻で、「この店では、材料はすべてフランスかシンガポールからの輸入で、本物の味。お勧めだよ」と返事が来ました。
それで、来店する気になった次第でした。実際に来てみると、確かに納得です。
特筆すべきなのは、このお店オ デリス には、静かで快適なテラス席が設けられている点です。私の知る限り、ジョムティエンの独立系店舗で、高水準の軽飲食を静かな屋外席で提供しているのは、ここだけです。
既存の類似店の現状:
La Baguette https://goo.gl/maps/1pqXXk1QCBt
タイ人の若者がデートコースで、インスタ映え写真を撮りにいく所。お洒落だけど総花的で、割高感を感じる。幹線道路沿いで、テラス席は無し。
Le Continental https://goo.gl/maps/sa7CsJAb35m
昔からある名店。近隣のシニア常連客をがっちりつかんでいる。味コスパともに申し分なし。
ホテルやレストランへのパンの卸しがメインで、個人への小売りはサブ。併設レストランは古めかしく、バンコクや日本から来た友だちを連れていく感じではない。テラス席はあるが、幹線道路沿いでうるさい。
Bak Fabrik https://goo.gl/maps/BcjZjQ8vgNS2
ドイツ人常連客がベンツで乗りつけるお店。お値段は高いが、十分それに見合った質の高いドイツパンと軽食を、提供している。店の周囲は原っぱで、何もない。テラス席はあるが、幹線道路沿いでうるさい。
オ デリス の立地の目の付け所には、感心します。
お店のあるジョムティエンコンプレックスは、知る人ぞ知るタイ最大のゲイタウンです。東京新宿2丁目とは異なり、すべての風俗店はオープンテラス形式で、中が丸見えで、文字通り開放感があります。日没から深夜にかけては、妖しく光るネオンと音楽と男性たちによる、喧噪地帯と化します。
打って変わって昼間は、静まりかえり閑散としています。そこに、このパン屋さんはオープンしました。店の前の道路はほとんど車が通らず、歩行者天国状態。テラス席といっても屋根はあり、雨や強い日差しの心配はありません。テラス大好き欧州人客の皆さんに、うってつけです。
ジョムティエン地区全体に言えることですが、ネット全盛の今の時代、風俗産業そのものが衰退の方向にあります。ジョムティエンコンプレックスも例外ではありません。このパン屋さんのような新しいタイプのお店ができることにより、ジョムティエンコンプレックスが新しい形の発展を遂げてくれればと思います。
いずれにしても、フランスの食が大好きな私としては、うれしい限りの出店です。オ デリスの価格設定はお高めですが、Bak Fabrik ほどではありません。毎週とはいかなくても、月イチくらいで利用したいです。今後とも地元に溶け込んで、末永く繁盛してほしいものです。