昨晩22時に外出から戻って、団地の入り口まで来たら、守衛さんから声を掛けられました。人が訪ねてきて、お宅のドアの前で待ってますよ、とのこと。
こんな時間に、いったい誰だろう? 心当たりが無いままに行くと、ドアの前に見知らぬ男性が立っています。
なんでも、「飼い猫がいなくなって探しているのだが、ちょうど猫がお宅に入り込んだのを見かけた。まだ中にいるはずだから、探させてくれないか」と言ってきました。
うーむ、怪しい。22時に他人の家の前で待ち伏せてるという時点で、じゅうぶんに怪しすぎる。ただ表情は真剣で、話しながら何か金目の物を物色している気配ではなさそう。わざわざ前もって守衛さんに声を掛けているくらいだから、泥棒ではないんだろうけどなぁ。ウチの団地はペットOKなので、共用部分で猫を見かけるのは、珍しくはありません。
心の中で警戒モードを発しながら、玄関ドアを開けて、その男を中に入れました。
見渡していくと、ベランダの小さなテーブルの上に、何かが居ます。あっと思ったら、猫が脱兎のごとく駆け出して、ドアの隙間から外へ逃げて行ってしまいました。男もすぐに後を追って、出て行ってしまいました。
猫を探していたのは、本当だったようです。ただ、ちょっと変。もし迷い猫が飼い主の顔を見たなら、普通は逃げ出すのではなく、安心して寄ってきそうなものですが。
翌朝10時、玄関チャイムが鳴りました。
ドアを開けると、近所の顔なじみの庭師さんと、見知らぬ女性が立っています。よく知っている庭師さんが一緒なので、女性を中にいれました。
女性は近所の人で、昨晩の迷い猫の飼い主だと名乗りました。1歳のオス猫で、3日前から行方不明で、探しているとのこと。昨晩、こちらの家に出没したと聞き、それならまた舞い戻ってくるかもしれないと思い、来てみることにしました。近くまでまで来たら、たまたま庭師さんが通りかかり、立ち話をしたら、この家の人と知り合いだというので、一緒に来てもらったんだそうな。
表情が思いつめてます。よほど可愛がっていたんでしょう。いや、今朝は見かけてませんよと答えると、肩を落としていました。
もしまた見つけたら連絡をくださいと、女性は携帯の番号を手渡してきました。もちろんそうしますと答えると、女性は帰っていきました。
帰り際に、庭師さんがこっそり教えてくれました。
もし迷い猫を見つけて保護し、飼い主のところまで連れてきてくれたら、飼い主は5,000バーツ(16,000円)の報奨金を出すと、言っているんだそうです。それで団地の内外の大勢の人が、しゃかりきになって猫ちゃんを探しているんだそうな。
あー、昨夜の謎が解けました。昨夜のあの見知らぬ男は、猫の飼い主ではなくて、報奨金目当ての猫ハンターだったんですね。だから猫が一目散に逃げていったのも、納得です。
さらに午後の時間になると、今度は庭師さんが一人でやってきました。猫が舞い戻って来ていないかの、巡回だそうです。なんや、オマエも猫ハンターかい!(笑)。
分かった分かった、もし今後見つけたら、飼い主さんダイレクトじゃなくて、アンタにまず連絡してあげるよと言ったら、満面の笑みで庭師さんは帰っていきました。
猫ちゃん、早く出てきてくれるといいなー。
2018年7月26日追記:
猫ちゃん見つかりました。道路の街路樹に散水車が水を撒きながら進んでいると、茂みに隠れていた猫が飛び出てきて、無事に保護されました。飼い主さんの元に戻れて、ヨカッタ。