バンコク西部にあるマヒドン大学音楽カレッジ内にある、プリンスマヒドン大ホールへ、行ってきました。珍しく、平日木曜の訪問でした。
目的は、19時から始まるロンドン交響楽団の公演です。これまで来タイした欧州の交響楽団としては、最高峰になります。
London Symphony Orchestra (LSO) in Bangkok
時間に余裕をもって、12時半にジョムティエンの自宅を車で出発しました。幸い途中バンコク市内の渋滞がまったく無くて、15時には大学に到着できました。
ただ、キャンパス内の駐車スペースは、どこも一杯。仕方なく周囲をウロウロと進み、昔の小さな旧ホールの前に空きがあったので、そこに停めました。
さて、暇です。スムーズに着いたはよいけど、開演の19時まであと4時間もあります。カフェで暇を潰すにしても、長過ぎ。
と思ったら、杞憂に終わりました。
とりあえず旧ホール建物のロビーに入ると、何やら音楽が聞こえてきました。ホール入口の扉が開けっ放しになっています。どうやら、地元 TPO Thai Philharmonic Orchestra タイ交響楽団が、ステージでリハーサル練習をしている模様。TPOはプリンスマヒドン大ホールをホームとしており、毎週金曜の夜と土曜の午後に、定期演奏会を開催しています。この週末の演奏会に向けての、練習のようでした。
これは、大変めずらしい。
TPO楽団員の多くは、昼間はマヒドン大学音楽カレッジで教鞭をとっています。楽団としての合奏練習は通常、平日月曜から木曜の17時から21時です。
ただこの日は、ロンドン交響楽団の特別公演がある都合上、練習時間が午後の時間帯に繰り上がっており、それにたまたま遭遇した次第でした。
今回は、TPO関係者の友人と一緒だったので、ホールの中に入れてもらえました。
全355席の客席に座っているのは、わずか5人ほど。おずれも楽団関係者のようです。
私たちも、静かに後方の席に座りました。ちょうど、チェロの韓国人ソリストが、ドボルザークを演奏している最中でした。
これは私にとっては、マヒドンでの新しい体験でした。フルオーケストラが、まるで私一人のために演奏してくれているような、贅沢な感覚でした。
ドイツ人指揮者が、たまに演奏の流れを止めて、
「69小節めの頭で、ホーンセクションは音の粒を揃えるように」
「この箇所は、明確に音を弾けさせて」
といいた具体的な指導を入れていました。指揮者の生のお仕事ぶりを垣間見れたのは、貴重な体験でした。
週末の演奏会本番目前ということで、プロクラム第1部の初めと第2部の後半を中心に、最後の仕上げをしている、といった趣でした。本番同様に、途中20分の休憩時間もありました。休憩時間中も、フルート、チェロ、トランペットの数人が、熱心に居残り練習をしる姿が、印象的でした。
結局、2時間に渡って、リハーサルを鑑賞しました。旧ホールを後にしたのは17時。
ロンドン交響楽団の公演を前に、特上の前菜をいただいた気分になれました。
ジョムティエンを出発してから、まだお昼を食べていなかったので、気持ちは一杯ですが、胃袋はペコペコ。キャンパス内のミュージックカフェへ移動し、昼食兼夕食をいただきました。
そうこうしているうちに、あっというまに時刻は18時半。いよいよ期待のロンドン交響楽団の公演時刻が近付いてきました。