今回の日本一時帰省に際し、タイの携帯キャリア AIS のアジアオセアニア向け旅行用 simカードを、事前に購入しておくのを忘れてしまいました。
そこで入国後に、新宿のYカメラで simカードを購入しました。IIJという会社のカードで、データ容量1.5 GB 、有効期間30日、お値段2000円です。ドコモの電波を利用します。IIJカードは、以前の日本帰省時にも利用したことがあります。
赤い和柄のパッケージで、日本のおもてなしを表現しているようです。
日本は不思議の国です。 購入者は、購入後に自分自身でスマホの simカード交換作業をしなくてはいけません。
私はこれまで約20カ国で、 simカードを購入したことがあります。しかし、購入後に店員さんがその場で simカードの入れ替え作業をしスマホの設定作業をしてくれないのは、日本だけです。ガラパゴスの象徴です。
とりあえずレジ近くにテーブルと椅子があったので、そこを使わせてもらって、自分で simカード交換作業を始めました。。私は弱視で目が悪いせいもあり、作業は簡単ではありません。15分ほどかかりました。
最初に、 simカードを取り出すためのピンを、店員さんから借りました。
カードを入れ替えた後、セットアップのためにプロバイダー会社の QR コードを読み取る必要があるはずなのですが、取説をパッと見ても、どこに載っているか分かりません。
また店員さんに声をかけて聞いてみると、取説の中ほどに小さく載っていました。これだと見落とすわなー。もっと裏表紙とか、目だつところに大きくドーンと載せてもらわないと。
店員が作業しない理由は「万が一、入替え作業によりスマホ内のデータを破壊してしまったら取り返しがつかず、責任が取れないから」なのだそうです。
これはYカメラに限らず、 B カメラでもY電機でも同様です。つまり事実上、お上からのお達しで、横並びにそうしているものと思わざるを得ません。
でもこれって、理由になっていません。
もしそうなら、例えば simカードのサイズがより小さい最新機種に買い換えたいお客さんが店頭に来たら、 店員さんはお客自身に simカードを入れ替えさせるのでしょうか？
ドコモからソフトバンクへ MNP キャリア変更をしたいお客が店頭に来たら、ソフトバンクの店員さんは、お客自身に simカードを入れ替えさせるのでしょうか？
そんなことはないはずです。
もし、これが自転車だったらどうでしょう。
自転車がパンクして困って、最寄りの自転車屋に飛び込んできたお客に対し、店主がこう言ったとしたらどうでしょう？
「あなたは外国人だから、もしくはあなたの自転車は外国メーカー品だから、ウチではタイヤ交換はお断りします。もし作業中に予想外に壊れてしまったら、責任が取れないので。タイヤとチューブは売ってあげます。でも交換作業は自分自身でしてください。」
こんなプロの自覚がない者は、自転車屋の看板を出すべきではないでしょう。
でも訪日客に対する日本の simカード事情は、これと同じなのです。
ピンを借りたり取説について質問したりで、私が作業に慣れていない客であることは、店員さんたちは見て取っていたはず。にも関わらず、交換作業の15分間というもの、私は空気のようにスルーされ、あたかも存在していないもののようになっていました。
商品知識豊富なスタッフが親切丁寧に応対いたします、との自動音声が店内に何度も鳴り響いていました。そのフレーズを、私は虚しくぼんやりと聞いていました。
私は何もYカメラを非難したいわけではありません。同業他社も同じです。むしろ大手家電量販店の中では、Yカメラは最も優れているとさえ思っています。
商品知識豊富なスタッフが親切丁寧、なのは本当でしょう。でもそれは「身内に対してだけ」なのです。
あの優秀なYカメラでさえ、海外からの不慣れな客がテーブルで15分もオタオタ細かい作業をしているのを見て、店員は何とも思わず何も感じない。そこに問題の根の深さがあります。
次回以降の日本一時帰省では、私はタイから海外旅行用 simカードを持ちこむことになりなるでしょう。日本の携帯電話店は、身内以外にはプロの仕事をしないので。
simカード購入客にとって必要なのは、すぐにそれが使えるようになることです。そこが最も重要で肝要なおもてなしとなるはずです。綺麗な和柄文様のパッケージなどではありません。ズレてます。
いつの日か、こうした状況が改善されればと願います。
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