プーケット島パトンビーチでの宿泊は、ネットで適当に見つけたホテルを予約して行きました。なるべく中心部の便利な場所がよかろうと思い、パトンのウォーキングストリートことBangLaバングラ通り近くのホテルにしました。
一泊1300バーツ(4500円)のホテルだったのですが、これが大失敗。いざ着いてみると、超ボロボロの館でした。ネットの写真で見たようなリゾート感ゼロ。通された部屋は、床に足をつけるのがはばかられるレベル。リネン類もボロボロ。従業員はやる気なしなし。wi-fi なんぞ使えません。
第一印象で「無理」だと悟りました。部屋を変えてくれないかといったところ、追加料金は払えばもっと良い部屋がありますとのこと。見せてもらえましたがそちらも酷く、意味がありませんでした。
もう何を言っても無駄だと悟りました。落胆や怒りは通り越し、とにかくこの事態をなんとかせねば、という気持ちが湧きました。
もう夜の8時だしお腹も空いているので、とりあえずはアラブ人街へ行き、レストランに入りました。羊ひき肉の串焼きがとても美味しく、それで MP 値すこし回復。
そこで決めました。
「明日から宿を変えよう」
とりあえずは一度部屋に戻り、ネットで近辺の高級そうなホテルを探し、実際に歩いて行ってみました。そこは料金が3倍以上したのですが、その割にはこちらも古めかしくて、部屋はなんか今ひとつ。
後は、道すがら外観がなんとなく良さそうなホテルを訪れ部屋を見せてもらうのぅを、3軒繰り返しました。値段はこの際、考慮から外しました。それでもやはり部屋が今一つだったり、気に入っても空きがなかったりで、新たな宿を見つけられません。
少し町の北側まで歩くと、見慣れた看板が目に入ってきました。Holiday Inn Express です。ちょうど2週間前に、クアラルンプールでこれに泊まったばかりでした。パトンビーチにもあるんですね。
建物内に入ると、天井が高くて広く大きなロビーです。その奥にはプールがかいま見えます。リゾート感たっぷり。ホリデイインエクスプレスブランドなら、一定以上のクオリティが確保されているのは間違いなさそうです。
明日から3泊部屋がありますかと受付で聞いたところ、明日の午後には一部屋だけ空きますとの返事。料金は一泊朝食税込で2000バーツ(6800円)で、クアラルンプールの5800円よりちょっとだけお高い。
もう23時過ぎだし、部屋は見せてもらえない状態でしたが、受付係さんの「当館はクアラルンプールよりもお部屋が広いですよ」の言葉が、決定打となりました。よし、ここにする!
クレジットカードで3泊分6000バーツ(2万円)を、その場で支払いました。有望株に乗り換えです。
もう深夜0時近くになりましたが、ボロボロホテルに戻り、とりあえずはそれなりに落ち着いた気分で、一晩眠りました。明日の昼には、こことサヨウナラです。
ボロボロホテルには、明日の晩の宿泊費まで支払い済みです。それは戻ってこなくて丸損なのですが、仕方ありません。
ホテル選びも、何やら株取引と同じですね。ボロを引いてしまい失敗だとわかったら、潔く認めて手を引き損切りし、他の有望株に乗り換えて前へ進む、です。
頭ではわかっていても、損切りは難しいものです。胆力を試されます。ボロをつかんでしまった自分の軽率さと運の無さを嘆き、でもここで損を確定させてしまえば、自分の愚かさを可視化してしまうことになります。そこで不本意な気持ちのまま、ズルズルと現状を引きずってしまいがち。
でも、雨季にしては乾いたパトンビーチの空気が、私を後押ししてくれました。
これから鬱々とした気分のままで、パトンでの数日を過ごすのか? そんなの絶対に NO です。こんな気持ちのいい空気の中で、もったいない。
なので身銭を切ってでも、別のホテルへの切り替えに、踏ん切りがつけられました。