ヒデヨのジョムティェンビーチ便り

バンコクの南東150km、パタヤの南5kmに位置するJomtien Beachでロングステイしています

タクシーのSOSボタン ごめんなさい もうしません

バンコク市内でタクシーに乗りました。

ふと見ると、車内左センターピラーの所に、赤字て「SOS」 と書かれた押しボタンがあります。

 

これはいったい何? ちょっと意味がわかりません。

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 タクシー強盗は日本の場合、タチの悪い客が運転手に刃物を突き付けて脅し、売上金を奪います。タイの場合は逆で、タチの悪い運転手が人気のないところへ客を強引に連れて行き、銃や刃物で脅して、客の所持金を奪います。

 

列車の車両内にあるSOSボタンは、万一の異常事態に瀕した客がボタンを押すと、運転室の運転手に即座に伝わり、列車は自動で急停止します。

でもタクシーは軌道交通ではないので、急停止できません。

 

また、列車とは異なり、タクシー車両は運転手個人の所有物です。仮にどこかへ通報するシステムになっていたとしても、客の金品を狙うようなタチの悪い運転手が、こっそり配線を切ったり改造を加えるのは、造作もないことでしょう。

 

 なぜこのSOSボタンを取り付けたのですか、押してはいけないのですよね、もし押したらどうなるのですか、と運転手さんに聞いてみました。

すると、なぜか慌てた様子で運転手さんからは「エッ、ここを左に曲がるんですか?」と全く的外れの答えが返ってきました。私の発音が悪くて、通じなかったのかもしれません。運転中に変に運転手さんを動揺させてはいけないと思い、その後は黙りました。

 

目的地に到着し、料金を手渡した後、改めてSOSボタンを指差しながら尋ねました。それでも運転手さんは口をモゴモゴさせるばかりです。これは何ですか、と単刀直入に聞いても、答えてくれません。

 

あまりにも気になったので、車を降りてから、ドアを閉める直前に、SOSボタンを押してみました。もしかしたら車外に赤い警告ランプが灯ったり、大きな警告音を発するのかなと思ったからです。

しかし、何も起きませんでした。運転手さんも、ダメだとも何も言わず、そのまま走り去っていきました。

 

あとでググってみて、ようやく分かりました。

 SOSボタン搭載車は、タイ運輸省認定のいわば優良認定車でした。

2017年11月からタクシー認可の基準が厳格化され、SOSボタンの設置が義務付けられました。乗客がSOSボタンを押すと、車内の画像を管制に送信するのだそうです。

タイのタクシーは「TAXI OK」アプリを導入。乗車拒否は NG になるか?

 

うわあ、そうだったんだ。知らなかった。

ボタンを押してしまったタクシーの運転手さん、ごめんなさい。降車後にボタンを押したので、管制には、空の後部座席の画像が送られただけだとは思いますが、運転手さんにしてみれば、いい迷惑行為になります。すみません。もうしません。

 

今にして思えば、きっと運転手さんは外国人客の私に対し、「運転手から危害を加えられそうになった時に押す目的です」だとは、このボタンの説明をしたくなかったのでしょうね。申し訳ないことをしました。

 

そういえばごく稀に、タイの人からは、意図的と思われる的外れな答えを、あえて返されることがあります。そうした場合は大抵、相手はその質問に答えたくないか、答えを知らないけど知りませんとは言いたくない、になります。その場合、質問を続ける方が野暮です。

今回のタクシーの件では、私の側に、その気遣いが足りなかったと思われます。反省。