年末年始のホリデーシーズンは、町の人口が倍以上に膨れ上がります。どこのホテルも軒並み予約で一杯で、飲食店は掻き入れ時となります。予約で一杯は、歯医者さんも同様です。理由は、メディカルツーリズムの患者さんが増えるからです。
当地のバカンス客の大半は、欧州人です。とくに北欧西欧は、医療福祉先進国のイメージがありますが、かならずしも完ぺきではないようです。たとえは、歯垢取りのクリーニングは治療ではないので、全額自己負担になります。人件費が日本の2倍3倍の国では、たいへん高額になります。でもタイなら、わずか1000バーツ(3400円)ほどで済んでしまいます。したもジョムディェンは町全体が欧州人向けに最適化されており、どの医療機関でも英語が通じます。
虫歯は治療行為なので、北部欧州の国では自己負担はゼロですが、病院が慢性的に混んでいて、予約を取るのに何週間もかかる場合があるようです。全額自己負担であっても、タイなら比較的すぐに診てもらえます。軽度の虫歯治療なら、歯垢取りクリーニングとさして変わらぬお値段で、治療が受けられます。
なので、ホリデーシーズンの歯医者さんは、大混雑となります。
そんな中、クリスマス休暇を当地で過ごしている友人から、昨夜電話が入りました。
歯の被せものがポロリと取れてしまったので、どこか歯科医を紹介してほしいとのこと。宿泊ホテルからほど近い歯科医クリニックの名前と電話番号を教え、明日の朝一番にアポの電話を入れるように、と伝えました。
今朝9時に、友人からまた電話が入りました。クリニックに電話したけど、だれも受話器を取らないとのこと。仕方ないので、私が直接そのクリニックに行って、状況を確認することにしました。
現地に着くと、クリニックはすでにオープンしていました。入り口には、いくつものサンダルや靴が並んでいます。受付に人がおり、事情を説明したところ、申し訳なさげな顔つきで、
「すみません、今日も明日も大変混んで、お時間が取れません。来ていただくとしても、来週年明け以降になります。」
と説明されました。あっちゃーー。
やむなく、近くの別のクリニックへ。そこも、予約で一杯だとのこと。次に予約が取れるのは、1月8日と言われました。ひゃーーー。
さらにあと2軒まわったのですが、いずれも撃沈。いゃー、半端ない混み具合です。雨季のオフシーズンであれば、だいたい当日が翌日で、何とかなるんですけどねぇ。
友人に電話し、残念ながら処置は諦めてくれと、伝えました。さいわい痛みはないそうなので、当地滞在中は顎の片側だけで噛んで、やり過ごすこととなりました。
年末年始をタイで過ごそうとお考えの皆さま、特に歯に不安を抱えている方は、出発前に母国で歯のケアを済ませておくことを、お勧めします。