3か月前、青いバタフライティーはどこで飲める、と投稿しました。
タイ語でアンチャン อัญชัน こと、蝶豆 Butterfly Pea の青い花を茶葉にした、目にも鮮やかなブルーの飲み物です。
バンコクのシーロム地区にあるステーキ&サラダバーのシズラーSizzler で、友人とお昼を食べる機会がありました。
メニューのドリンクのページを見ると、新登場でブルースカイレモネードBlue Sky Lemonade なるものが掲載されています。69バーツ。グラスの傍らには、なにから青い花が添えられています。
もしやと思いウェイトレスさんに、これはアンチャンですかと尋ねたところ、ハイとの返事。驚きをもって、さっそく注文しました。
いやー、まさか大手チェーンの飲食店で、バタフライティーに逢えるとは。感激です。
噂では、茄子の絞り汁みたいなものだとも聞いています。口に含んだら、結構エグい味がするのかな。妄想が膨らみます。
しばらくすると、運ばれてきました。
小さなジョッキ型の器で、濃い青色の液体です。底にはタピオカの粒つぶが沈められていて、涼しげでお洒落なプレゼンテーション。
最初のひと口を飲んでみると。。。
ん? あれ!?
味も匂いも何もない、ただの氷水です。
いちおう、別添えでシロップが添えられていますが、飲み物本体そのものは、何の味も匂いもしません。レモネードと銘打っていますが、レモンの酸味もまったくありません。
どーいうこと? 美味しいも不味いもありません。まったくの肩透かしです。
氷水に、食紅ならぬ食藍の粉を混ぜれば、おそらくコレになるでしょう。
タイの地方暮らしも数年になると、たいていの事柄には動じなくなります。
大雨で自宅が一週間停電になろうが、郵便受けに届いた手紙の消印が2年前であろうが、台所にサソリが出ようが、驚きはするものの、まぁそんなもんだよねー、となります。
しかし、シズラーさんによる、この完璧なまでの肩透かしには、言葉を失いました。
ひどい味でひどい目に遭ったのなら、悪態をつけば気が済みます。でも無味無臭の氷水に、悪態はつけません。
別にシズラーさんに文句をつけたい訳ではありません。
賑やかなシーロム通りを見下ろす瀟洒な窓際の席で、テーブルに置かれた青いバタフライティーは、実にインスタ映えします。それだけで69バーツの価値はあるのでしょう。
私は、ファミレスのドリンクに、勝手に過大な期待を抱いていた、面倒くさい客に過ぎません。
そう頭では理解しています。
でも一体、私は自分の気持ちに、どう折り合いをつけたらよいのでしょうか。
これが、私のバタフライティーデビューと言えるのでしょうか。まさかの不戦敗です。
私のバタフライティー探索の旅は、ここで終了なのでしょうか。
気を落ち着けて、ノースパタヤの茶葉店へ足を運び、バタフライティーを買い求めるのが良さそうです。