ヒデヨのジョムティェンビーチ便り

バンコクの南東150km、パタヤの南5kmに位置するJomtien Beachでロングステイしています

ベンスシアターで開催されたグン君の左手ピアノコンサートは、大盛況でした

この週末土曜は、ジョムティエンの音楽サロン Ben’s Theatreベンスシアター で、タイ人若手ピアニストのグン・チャイキットワタナ君 Gun Chaikittiwatana のコンサートが開催されました。

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グン君プロフィール: 21歳。日本とご縁があります。

・幼少時よりピアノを始め、マヒドン大学の日本人ピアニスト中川恵理氏に師事。

‘弱冠12歳でソロデビュー。矢崎彦太郎指揮のタイ交響楽団と、ベートーベン合唱幻想曲で。

・2013年ショパン国際ピアノコンクールアジア、タイピアノ国際コンクール、大阪音楽コンクールで1位。

・2015年カワイ国際音楽コンクールグランプリ。大阪梅田と東京表参道で日本デビュー。

・現在は、ザルツブルグのモーツァルト音楽大学の修士課程に在学中。

・この7月8月は大学の夏休みでタイに帰省しており、タイミングよくジョムティエンまでご来訪のはこびとなりました。

 

 

今回のプログラム:

 

1. ブラームス作曲 左手のためのシャコンヌ ニ短調  Chaconne in d minor for Left Hand

2. サンサーンス作曲 左手のための6つの練習曲作品135  Six Etudes pour la main gauche seule, Op.135

 

休憩

 

3. ショパン作曲 ノクターン作品27-2  Nocturne Op.27 no.2 Lento Sostenuto

4. ドビュッシー作曲 8本指のための練習曲6番  Etudes No.6 pour les huit doigt

5. ラヴェル作曲 左手のためのピアノ協奏曲  Piano Concerto for Left Hand

 

 

ステージ上に、ピアノは2台。1台は1927年製のクラシック品。パタヤ在住の音楽愛好家で米国人のKさんが昔当地に持ち込み、1年ほど前からベンズシアターに常設となっています。

 

もう一台は会場オーナーのベンさんの私物で、ごく最近買い替えた電子ピアノ。最後の協奏曲では、グン君と同じ大学へ留学中のタイ人ピアニストで、同じく帰省中のKant Lormsomboonカント君が、第2ピアノを務めました。

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各曲の演奏前にそれぞれ、グン君が自身で作品の説明をしてくれました。

コンサートのテーマは、「左手のための作品集」。

実はグン君は最近、おそらくは練習のし過ぎで、右手親指を痛めてしまいました。

そのため、強制的に右手を一定期間休ませる必要があり、やむなく左手のみの練習をせざるを得なくなりました。

左手のみの作品は意外と数があり、グン君はその魅力に気付かされたのだそうです。

 

現在も右親指は本調子ではなく、それでこのコンサートは左手のみ、もしくは8本運指作品での構成となりました。怪我のため思うように満足な練習ができず、また長期夏休みでステージ感が鈍る状況で、グン君にとってジョムティエンでのこのサロンコンサートは、良いメリハリになったようです。

 

 

コンサートは、告知から本番開催まで、わずか3週間でした。

8月のジョムティエンは雨季で、リゾートのローシーズン。人はまばらです。

このコンサートはグン君への留学資金カンパも目的にしており、入場料は900バーツ(3,000円)と、当地としてはちょっとお高め。

定員40名が埋まるのか、心配でした。私自身もfacebookなどでシェアするなど、できるだけの集客協力をしました。

 

ところがふたを開けてみたら、なんと40名様満員御礼。さらに補助席まで出て、計43名でした。

39名が当地在住西洋人、タイ人が3名、それに日本人の私でした。

しかも実は当日の午後、連絡行き違いにより、私の席が無いことが判明。そこはベンさん、私に43番目の補助を用意してくれました。なので、スタッフエリアでベンさんの隣に座っての演奏鑑賞となりました。(笑)

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左手のみとかは関係なく、グン君の表現力の豊かさに魅了されました。語りかけるような指使いが、ブラームスやラヴェルの世界観を、見事に体現していました。

初めてグン君の演奏に触れたのは、彼が16歳の頃。プリンスマヒドンホールの会場で、タイ交響楽団との共演でした。凄い天才少年がいるものだと、当時圧倒されました。

それが今回は、ごく間近で汗をふり絞っての彼の熱演が、観られました。

 

観客の皆さんの反応は上々でした。最後には万雷の拍手が送られ、アンコールとしてシューマンのトロイメライで、穏やかに締めくくられました。

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グン君の指の万全な回復を祈ります。そして将来、オーストリア留学を終えたグン君が、またジョムティエンで卓越した演奏をしてくれればと、願います。

 

 

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