ヒデヨのジョムティェンビーチ便り

バンコクの南東150km、パタヤの南5kmに位置するJomtien Beachでロングステイしています

米国の確定申告アプリ Tuebotax が、日本上陸してくれないかな

昨日に続き、確定申告ネタです。

私は自分がアップル信者であるという自覚はありません。それでも3年に1度くらい、キャズム超えとも思える衝撃的な神アプリに遭遇ずることがあります。4年前に見た、米国の確定申告用アプリTurbotaxターボタックスは、その一つです。

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iPadの画面上で、日本のマイナンバーに相当するソーシャルセキュリティーナンバー社会保障制度番号を入力し、画面に次から次と出てくる質問に対して、30回位くらい順々に答えていくと、確定申告用紙が完成し申請できてしまうというアプリです。

すべての法人にも、固有の番号が振り当てられています。会社員であれば、勤務先コード・社員番号・パスワードを入力すると、自分の昨年分の給与情報がターボタックスに簡単にインポートされます。生命保険加入による減税が受けられる場合も同様に、保険会社のコード・お客様番号・パスワードを入力すれば、保険掛金情報がインポートされます。必要な歳入・歳出・減税の情報をインポートし、確定申告の出来上がりです。

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当時私は、自分の日本の確定申告を、やよいの青色申告ソフトで自分で入力作成し、国税庁の電子申請システムe-taxイータックスに取り込み、電子申請していました。やよいの青色申告は、民間企業が確定申告に特化して作ったソフトで、一旦操作の仕方を覚えれば、特別難しい事はありません。よくできています。ただ、外部とのデータ連携は、使いやすいとは言えません。それは弥生の会社の問題ではなく、法人も含め日本の社会全体にマイナンバーが浸透していないためと思われます。

国税庁のe-Taxは、初めて使ったときには目まいがしました。所得税だけでなく全ての徴税を包括するシステムで、課税例外条項や毎年目まぐるしく変わる減税措置をすべて網羅しています。所得税の確定申告目的だけに使いたい私から見ると、大変わかりづらい。操作がわからなくてヘルプを見ても、その中身がわからなくて更に別のヘルプリンク先を見に行かされ、そこを読んでもわからず又さらに別のリンク先に行かされ、たらい回し状態で結局最初のヘルプ画面に戻される、というトホホな構造。民間企業のソフトだったら、ありえないレベルです。

 

なので、iPadで米国のターボタックスアプリを目にした際には、あまりの日本との差に、ハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けました。少なくとも自分が生きている間には、日本がIT分野で米国に追いつく事はもう決して無いだろう、という気さえしました。iPadで確定申告の作成と申請ができるアプリが、日本で登場する日は来るのでしょうか。さらに言えば、在住外国人が英語でそのアプリを使える日は来るのでしょうか。

 

 

私はたまたま4年前、米国人の友人のiPadに触らせてもらう機会があり、ターボタックスの存在を知りました。ターボタックスのアプリは、米国のクレジットカードを登録して米国のアップルストアにアクセスできるOS端末からでないと、見られないのでした。日本のクレジットカードを登録している私のiPadでは、その存在に気づきません。気づけないのです。

 

1つの国でのみ使用されている言語が母国語であることは、ユニークさという長所であると同時に、比較対象がなくて競争原理が働かないという短所でも持ちます。英語や仏語のように、複数の国と通貨で使われている言語であれば、それぞれに異なった税制及びその運用方法の差がいやでも目につき、比較されます。ひとつの国で優れた税制アプリがあれば、なぜ自分の国ではそれが使えないんだろう、ということにもなるでしょう。

 

もしターボタックスが黒船として日本に登場し普及したら、従来型の日本の税理士さんの半数以上は、仕事を奪われるかもしれません。あるいは、確定申告作業のハードルが下がり、会社員を含め国民全体が、各自で確定申告できるようになるかもしれません。そうなればビジネスの裾野が大きく広がります。ルーチンワークではなく、税制について本当の目利きができるプロフェッショナルな税理士さんが、より活躍可能にになるでしょう。