ヒデヨのジョムティェンビーチ便り

バンコクの南東150km、パタヤの南5kmに位置するJomtien Beachでロングステイしています

ガラケーで過ごす滞在

今回の日本滞在では、スマホにSIMカードは挿さず、外出時のネット環境無しで過ごしています。スマホは、デジカメとしてのみ、持ち歩いています。
今のところ、何とかなっています。

 

東京の自宅にはWi-Fi環境があるので、LINEやWhatsAppのチェックは、自宅にいる間に行っています。初めての場所へ外出する際には、あらかじめ自宅でGoogle マップを調べ、目的地付近の地図を何枚かスマホにキャプチャーしておきます。

外出時には、一応ガラケーを持ち歩いています。日本からタイへ引っ越す際に、解約せずに1番安い最低料金プランのままにしておいています。めったに使わないのですが、あると安心です。

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前々回と前回、日本へ帰省した際には、大手家電量販店でネット回線専用のSIMカードを買い、使っていました。しかし日本のSIM環境のあまりのひどさに目眩がし、今回の滞在では、SIMカードなしで過ごすことにしました。

 

目まいががした点は2つ。

 

1 . その辺の適当な店で、SIMカードが買えない。
セブンイレブンでドコモやソフトバンクの携帯電話番号SIMカードが買えない、という時点で、日本のIT産業は終わっていると感じます。


タイの離島の民宿でも、ラオスの街角のボロボロのよろず屋でも、SIMカードは売っています。

一方、新宿や渋谷の目抜き通り沿いにあり、店頭に多数のスマホを展示している携帯電話会社の旗艦店は、SIMカードを売ってくれません。
・携帯電話本体を売っているのに、SIMカードを打ってくれないなんて、意味不明。
・ポストペイド契約しかなく、プリペイドがないというのも、意味不明。

 

大手家電量販店に行くと、その店オリジナルのSIMカードを売ってはいます。しかし、
・インターネット専用SIMカードのみで、電話番号付きのカードは売ってくれない。観光客ならまだしも、電話番号なしだと、日本にやってくる外国人ビジネスマンは、仕事にならないのでは?
・データ量が足りなくなったら、チャージはその家電量販店まで出向かないといけない。その辺のセブンイレブンやファミマではチャージできないのが、意味不明。

 


2 . SIMカードを買った店の店員さんが、SIMカードの入れ替え作業をしてくれない。
これには仰天しました。


私はこれまでフランス・イタリア・インド・ラオス・カンボジア・タイ・マレーシア・シンガポール・香港で、SIMカードを買ったことがあります。すべての国のすべての店舗で、店員さんがSIMカードの入れ替え作業、通話とネットの接続確認、それに伴うメニュー設定をしてくれました。

東京渋谷の某家電量販店でSIMカードを買い、レジで支払いをしました。そこで「SIMカードを入れ替えていただけますか?」と尋ねたところ、怪訝な表情で「できません。自己責任でカード交換してください」と断られてしまいました。

 

これまで、SIMカードを入れ替えると、スマホ動作がおかしくなったり、ちゃんとネットにつながらない、といった不具合を経験したことがあります。
自宅に帰ってからSIMカード入れ替え、もし不具合が発生したら嫌です。なので、レジの横にある空きスペースを使わせてもらい、そこで自分でSIMカードの入れ替え作業を行いました。幸いすぐにネットにつながり、問題なく動作してくれました。
入れ替え作業している間、店員さんからの「邪魔だなぁ」という非言語情報が、背中に感じられました。

 

事情を聞いてみると、SIMカード交換後に動作不具合が発生した場合、責任を持てないから行わない、との事でした。その家電量販店で携帯大手3社の端末を買い、かつ有償のサポート契約を申し込んだお客様のみ、SIMカード交換作業を店員さんが行うのだそうです。つまり、外国人旅行者はすべてお断り、と言うことになります。

 

SIMカード売りっぱなしで、後は何もしないと言うのであれば、何も家電量販店の店頭で売らなくても、その辺の薬局とか駅の売店あたりで売っても良いのでは?

 

スマホの開けにくい背面パネルをパカッと開けて、SIM交換をする、などといいうのは、一般の人はやったことがありません。一種の分解みたいなものです。それを客やらせるというのは、おかしいのでは? 腕時計の電池を交換しに時計屋さんに行って、お客自身に電池交換させる時計屋さんは、いないでしょう。

 

お客が高齢で目が悪く、SIMカードの交換作業なんて無理、といった場合には、どうするのでしょう?
実際、私はとても目が悪く、視覚障害者5級相当です。
以前、新宿西口ビックカメラでSIMカード買った際には、戸惑っている私を見かねて、店員さんが小声で「本当はダメなんですけど、交換しときますね」と囁き、こっそりSIMカードを交換してくれました。機転をきかせてくれた店員さんに、感謝です。

 


日本のガラパゴス携帯の闇は、本当に深いです。後発発展途上国にも劣ります。2020年東京オリンピックまでに、セブンイレブンでドコモのSIMカードが買えるようには、恐らくならないでしょう。
日本語ネイティブの私がこう言う印象を持つのですから、日本語がわからない外国人旅行者の方たちは、日本に来て携帯電話店の店先で、訳も分からず門前払いを食っているのではないでしょうか。

 

しかし、私に機転をきかせてくれたビックカメラの店員さんのように、全く希望がないわけでもありません。今後、少しでもSIMカードを取り巻く事情が改善の方向にいってくれればと願います。