デリー市内の名所観光4カ所目。
アクシャルダム寺院 Akshardham Temple
宗教施設に対し表現が適切かはわかりませんが、ここはいわば「デリーのディズニーランド」でした。素晴らしいB級エンターテインメント施設です。
広大な敷地内を見学し、すべてのアトラクションを体験すると、約5時間かかります。 2日程度のデリー滞在であれば行く必要はありませんが、 1週間程度の滞在であれば是非1日はここに充てるのがお勧めです。
テーマパークのように、人間行動学に基づいたレイアウトとなっています。あえて何度も行列をさせることで、観たいと言う気持ちを煽ります。
まずは入り口前で、所持品預け入れの長い行列につきます。お財布以外、すべての私物持ち込み禁止です。スマホもデジカメもノートPCも預けさせられます。もしこっそり持ち込んでも、次の金属探知機ゲートで確実に捕捉されてしまいます。当然、内部は全面的に撮影禁止です。
入場料自体は無料で、パンフレットを貰って中に入りました。建立して12年のピカピカのヒンズー寺院です。
本堂は、純白の大理石造りの巨大ドームで、神殿になっています。すべての壁と天井には細密な彫刻が施され、息をのむ豪華さです。
本堂を見学した後、 180ルピー(320円)を払い、 3つのアトラクションの入場チケットを買い求めました。いずれも、約200年前にお生まれになって創始者スワミナーラーヤン様の生い立ちと、起こしたら奇跡の数々を紹介するものです。
アトラクション1: 蝋人形劇場。腕や頭が機械じかけで動く蝋人形の劇場。かなりベタな感じで良いです。約5分ごとに、舞台が次々と切り替わります。ー
アトラクション2: 映画館で1時間のシネマ上映。 IMAXシアターを思わせる大型スクリーンと急階段の豪華なシート。インド人の観客のみなさんに混じり、英語音声のヘッドホンをかぶっての、ボリウッド映画鑑賞初体験でした。
12歳で出家した創始者が長い旅を続け、道中で獰猛なライオンを猫のように静かにさせたり、標高4,000メートル級のヒマラヤの雪原を越布1枚と裸足の姿で何十日も踏破したり、強盗は投げつけてくる爆薬を植物の種に変えてしまうといった、ダイナミックな内容です。数千人のエキストラを動員した、大がかりな力作でした。
アトラクション3: 40人乗りの船に乗って水路を進むスプラッシュマウンテン。
水路の両脇には、創始者の説明に加え、インドの歴史文化発明品を説明する完成度の高い展示が続きます。こちらも見応えがありました。音声説明はヒンディー語ではなく、英語のみ。同じ趣旨の内容を、手を変え品を変え3度繰り返している訳ですから、英語があまり分からない子供たちでも問題ないのでしょう。数字の0や重力の概念を、欧州に先立つこと数百年も前に発見していた、と力説してました。アトラクション1のベタな展示より、ずっと洗練させています。
入口でスマホを没収させられたのは、神聖な場所を撮影するのはケシカランという理由なのかと思っていました。しかし、どうやらそうではないようです。
テーマパーク状態なので、フォトジェニックなスポットがあちこちにテンコ盛りです。もし皆がスマホを持っていたなら、ありがたい教祖様のお話そっちのけで、誰もが写真撮影に夢中になってしまいます。5時間に渡って訪問者を、強制的にスマホ無しネット無しのITデトックスさせ、見学に集中させるるのは、意義あるでしょう。